HOOD天神

コミュニティデザイン

Outline

つながる、はじめる、つくりだす

地元鉄道会社である西日本鉄道が保有するビルのバリューアップ・空き区画の有効活用として、2社共同事業による、シェアオフィス兼イベントスペースの開設と運営。
福岡進出を目指す全国の企業や個人事業主、イベントの参加者など多様な人材が集まり、拠点から新しいビジネスや文化を生み出すことで、空き区画の価値を最大限高め、オーナー企業や地域に貢献することを目的としたプロジェクトです。

https://hood-tenjin.com/

Mission

”柔軟さ”で新たな可能性を考える

コトの要となったのは、2014年に始まった西日本鉄道(以下、西鉄)の社内横断プロジェクト「西鉄天神委員会」。
福岡・天神の活性化を図るため、各分野の先進的なプレーヤーが集結し、天神の未来を考えるというものです。同年11月に開催した、西鉄天神委員会メンバー対象のワークショップで「HOOD天神」立ち上げの主要メンバーが揃います。天神を、起業家応援のまちにしようという「起業志向チーム」に所属していた、西鉄の宮﨑泰さん、グリーンズの小野裕之さん、SDAの須賀大介の3名です。
福岡の起業家に話を聞くと、浮き上がってきたのは「リアルにつながる場所が要る」という声。福岡にコワーキングスペースはあったものの、作業をする場所としての意味合いが強く、”つながる”ということを明確に打ち出した場所はまだありませんでした。地域、移住者、女性企業家…など「いろいろな人たちが集まる“場”をつくりたい」。起業志向チームの3人が抱くそれぞれの思いを展開させたのは、「それら全部が、ゆるくつながればいいんじゃない?」という柔軟な考えでした。コンセプトを1つに絞らない方が、新たな可能性を起こす仕掛けになるからです。 
同時期、西鉄のビル事業部から空き階利用の話が舞い込みます。運営に伴い、分野の違う3人の能力が発揮されていきました。

greenz.jp
https://greenz.jp/2016/11/15/fukuoka_tenjin_hood/

Concept

空間コンセプト「天神のど真ん中にある山小屋」

天神を面白くする。天神から始める人を増やすことを考えたときに、空間はまちのど真ん中にありながらも、入った瞬間に「ワクワク」する空間であり、また人と人がつながるときに心を開示できるように、リラックスできる空間であるということを両立させる必要がありました。また、約20坪という限られた空間の中に、ワークスペースとイベントスペース、時にはギャラリーとしても機能するようなソフトを想定した時に、できるだけシンプルであり機能性が高い空間を創る必要がありました。

そこで、須賀が考えたコンセプトは、「アクロス山の向かいにある、天神の山小屋」。

木をふんだんに使いリラックスできる空間としながら、什器はアウトドアテイストを思わせるディレクターチェアなどを使いました。
また、ロゴデザインは、福岡の箱崎に拠点を構える、株式会社テツシンデザインのデザイナー先崎さんに依頼し、天神の広い空とアクロスの山がつながる場所に人が集まるというコンセプトで作成をしてもらいました。

Events

天神で、つながる、はじめる、つくりだす

デジタルな時代だからこそ求められるリアルな“場”。「天神で、つながる、はじめる、つくりだす」というコンセプトのもと、協力パートナーのみなさんと一緒に様々なイベントを生み出してきました。
例えば、シリーズ開催の「green drinks Tenjin」。環境、まちづくり、子育て、教育、平和などその分野のキーパーソンをゲストに、参加者みんなで対話をしていくイベント。共通のテーマのもと、それぞれの考えを共有する時間をつくり出します。
また「小商いのはじめ方〜自分らしい仕事づくりと可能性〜」というイベントでは、小商いを始めたい人に向けてスクールとしても開催。自分の好きなことを小さくビジネスとして始めていくためのポイントを講師から学ぶ、学びの場としてのイベントも開催しました。

ただイベントを開催するだけではなく、「つながる場をつくりだす」ということを意識しています。人が集まり、交流をする場をつくるということ。そこでの人との出会いは、ともすれば私たちの人生を変えうる出会いになるかもしれません。そんな個人の出会いの連鎖が、この天神から新たなコトを生み出すきっかけになると信じ、これからも様々なイベントを生み出します。

イベント実績

green drinks Tenjin、はじめた人のはじめ方、Work&Local around30、おやこ保育園&おやこ面談会、小商いのはじめ方〜自分らしい仕事づくりと可能性〜、焼酎夜会など

Community

発酵するコミュニティへ

東京が本社の不動産系企業やIT企業から、イラストレーターや研修講師などのフリーランスの方々まで、業界も属性も多様であれば利用頻度や個人のキャラクターも実に様々です。
家でもなく、カフェでもないこの空間で仕事をするという選択。この背景には、「つながる」ことの価値があるのではないかと思います。

シェアオフィスで「つながる」仕掛けとして私たちは、様々な取り組みを行なっています。昼食の時間を使い、コミュニケーションを取りながらお互いを知るHOOD LUNCH。入居者同士でつながることもあれば、入居者以外の人を巻き込みながらまちぐるみでつながることもあります。
更に、入居者やコミュニティマネージャーも講師として展開するHOOD SCHOOL。「チャレンジする人のための小さな学び場」をコンセプトに、場づくり講座やプレゼン講座、貯金術講座など様々な学びを生み出しています。

こうした取り組みの中で、実際に入居者同士で仕事のやりとりが生まれたり、入居者とプロジェクトで出会った人との間で仕事が生まれたり。様々な化学変化が起きているコミュニティです。それは、決して私たちだけで作り上げたものではなく、いろんな人と手を取り合いながら大切に温めているコミュニティだと思っています。
そして、そんな小さなコミュニティを天神というまちで、これからもともに育てていきます。

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